東日本と西日本の境目はどこにある?東西境界線となる県や定義を徹底調査

2018年4月5日

【 本記事のターゲット 】

  1. 東日本と西日本の境界線を知りたい
  2. どの県が境界にあたるのか、明確な定義があるのかどうか知りたい。

今回は日本を東と西で分けた場合、西日本と東日本はどこで分かれるのか、境界線はどこにあるのかをご紹介します。

おなじみの日本地図が下記となりますが、皆さんは西日本と東日本の境目は何処になると思いますか?

会社でとある仕事を担当していた時、たまたま西日本と東日本を2つに分けて進めるプロジェクトがあり...

その時にふと思ったのが

  • あれ?そもそも西日本と東日本の境界線ってどこになるんだろう。何県が境目になるのか?

と...。

結局答えは出なかったのですが、この時色々と疑問に思ったので徹底的に調査してみました。

西日本と東日本の境界線・境目を知りたいという方は、本記事を参考にしてみて下さい。

西日本・東日本の明確な境界線は定義されていない

まず最初に、実は東日本と西日本って明確な境界線って定義されていないというのが答えになります。

とはいえ、普段東日本・西日本っていう言葉ってよく聞くような気がしますよね。

企業によって、商品によって、スポーツによって、はたまた天気予報などによって色んな東西の分け方があるかと。

という事で、まずは日本国内で有名な3つの辞書・百科事典から「西日本」や「東日本」を定義している文面があるかどうか調査してみました。

広辞苑での定義を調査。ポイントは愛知県をはじめとした中部地方

まず岩波書店が発行している有名な広辞苑から調査します。こちらには「東日本」と「西日本」の2つの言葉が定義されており、

  • 東日本「日本の東半分。広くは中部地方を含めそれ以東。通常は北海道・東北・関東三地方。狭くは東北・関東二地方の総称」
  • 西日本「日本の西半分。広くは中部地方を含めそれ以西。通常は近畿以西。狭くは中国、四国、九州三地方の総称」

と紹介されています。ポイントとなるのはやはり愛知県を中心とした中部地方。

広辞苑の記載内容からは両方とも「中部地方を含め」と記載されているので、明確な境界線を見出す事は出来ない様です。

日本国語大辞典での定義を調査。同じく中部地方がポイント

では次に小学館が提供している日本最大級の国語辞典「日本国語大辞典」の定義も見てみます。こちらも東日本と西日本の2つが記載されていました。

  • 東日本「日本列島の東半部。中部地方以東の関東・東北・北海道の各地方。特に東北・関東地方」
  • 西日本「日本の西半部。また、中部地方以西の近畿・中国・九州の各地方の総称。特に九州地方」

ここでもやはりポイントは中部地方。

こちらの書き方でも東西どちらにも含まれるような記載となっており、明確な境界線を定義する事は不可能...

大辞林での定義も調査。糸魚川静岡構造線が境目と記載

では最後に三省堂の「大辞林」。こちらも同様に東日本と西日本の2つがエントリー

  • 東日本「日本列島の東半分。地質学的には糸魚川静岡構造線より東の地域をいう」
  • 西日本「日本列島の西半分。地質学的には糸魚川静岡構造線より西の地域をいう」

糸魚川静岡構造線!?これは何処を示しているんだろう...ウィキペディアで調べた所、

親不知(新潟県糸魚川市)から諏訪湖を通って、安倍川(静岡市駿河区)付近に至る大断層線

との事。

では実際に糸魚川静岡構造線を調査して日本地図上に記載してみました。

長野県を中心に、新潟・山梨・静岡が東西に分かれるような感じで、この線の東が「東日本」、西が「西日本」という事になります。

あくまで大辞林&糸魚川静岡構造線をベースとした分け方になります。

もちろん、これで納得されない方も多いかと思いますので、もっと他の角度からさらに調査を進めます。

日本列島の中心地「人口重心地」は岐阜県

日本の中心という定義はあるんじゃないのか?という疑問が発生

辞書の結果は先ほど述べた通りですが、東日本&西日本の境界線ってまだまだ色んな角度から言う事は出来ますよね。

その一つが日本の中心を元とした考え方。

実は以前mog自身名古屋に1年半程住んでいた事があり、その時仕事で岐阜の高速道路を走っている時めちゃくちゃ気になっていた箇所があるんです。

それが「まん真ん中の里」という大きなモニュメント。

高速道路からも見る事が出来るのですが、この事がきっかけで「岐阜県」が日本の中心なんだという認識はあったので、その辺りを一通り調査しました。

岐阜県にある「まん真ん中の里」

出典:ウィキペディア

こちらがmog自身気になっていた「まん真ん中の里」になります。モニュメントの真ん中に大きく刻まれていますよね。

場所は東海北陸自動車道の美並インター付近にあります。

1995年(平成7年)の国勢調査にて、当時の岐阜県郡上郡美並村(現岐阜県郡上市美並町)が人口重心地となり、日本まん真ん中センター(建物自体が日本最大の日時計)等、様々な施設などが造られていったようです。

他にも同じような施設はあるんじゃないのか?と思ったので、さらに調査を継続。

岐阜県にある「日本まん真ん中センター」

出典:ウィキペディア

こちらも岐阜県郡上市美並町にある施設、その名も「日本まん真ん中センター」になります。

500人収容の多目的ホールや会議室、図書室を設けた多目的施設です。

世界最大級(37.3m)の日時計が組み込まれた施設などもあり、美並町の主要な観光施設になっています。

岐阜県にある「日本まん真ん中温泉」

出典:日本まん真ん中温泉

こちらも岐阜県郡上市美並町にあり、長良川鉄道「みなみ子宝温泉駅」の目の前にある温泉施設「日本まん真ん中温泉」になります。

列車から降りたら直に入口があり、子宝の湯は槇風呂に釜風呂、サウナに露天風呂を備えた温泉になっているようです。

と立て続けに3つの施設を紹介しましたが、ここでは日本の中心(人口重心)をベースに考えると...

岐阜県郡上市美並町より東が東日本、西が西日本となります。

地図で記載すると上記のような感じでしょうか。

どうでしょう?個人的にはこちらの方がしっくり来るような気がしますが...

電気の周波数(50Hz 60Hz)で東日本・西日本に分けると境界線はどうなる?

電気の周波数で考えると、その境界線はどこになる?

さらに有名な東西の分け方として、電気の周波数が上げられるかと思います。

皆さんご存知の通り、電気の周波数が東西で異なっており、東側では50ヘルツ、西側では60ヘルツとなっています。

こちらは中部電力のHPに分かりやすい図と解説が記載されていたので引用させて頂くと、

日本は静岡県の富士川と新潟県の糸魚川あたりを境にして、東側は50ヘルツ、西側は60ヘルツの電気が送られています。

との事です。下記がその図になります。

出典:中部電力

長野県の一部地域では50Hzと60Hz混在している箇所もあるようですね。

こちらを見ると、東日本が長野県より東、西日本が長野県を含めた西に分かれますね。

TIPS:なぜ電力の周波数が東西で分かれている?

少し話が脱線しますが、ちょっと面白い内容が中部電力のHPに記載されていたので、こちらも引用させて頂きます。

なぜ50ヘルツと60ヘルツに分かれているの?電気を作る発電機は、明治時代に輸入されました。輸入当初、関東にはドイツから50ヘルツの発電機が、関西にはアメリカから60ヘルツの発電機が輸入されたことから、現在も当時の流れをくむ形で2つの周波数が存在しています。

なるほど...知らなかった、勉強になりますね。

NTTとして東日本・西日本に分けると境界線はどうなる?

NTTの東日本と西日本の境界線

ではここからは大手企業の中で有名なものから順番に見て行きたいと思います。まずは皆さんも利用しているNTTからです。

NTTには「NTT東日本」と「NTT西日本」があります。

それぞれの公式HPの各支店情報欄を見てみると、気になる中部地域では下記のような形となっていました。

  • 西日本:愛知、岐阜、静岡、富山
  • 東日本:長野、新潟、山梨

地図に記載すると上記のような感じです。

甲子園の東西対決抽選方式で東日本・西日本に分けると境界線はどうなる?

2006年まで甲子園では隣接県同士の対戦を避けるための抽選方式が取られていた

mog自身高校野球・甲子園が大好きで毎年見ているのですが、そしてここでふと思い出したのは、過去確か隣接している県同士が初戦にぶつからないような抽選方式があったような気が...

気になったので調べてみた所、第60回記念大会(1978年)以降1府県1代表制(但し北海道・東京都は2代表制)となってから、隣接県同士の対戦を避けるためにある境目を元に東西対決方式で組み合わせ抽選をするという方式が29年間(2006年)まで続いていた様です。

で、その境目となっていたのが下記。

  • 東ブロックの境目-富山・岐阜・愛知・三重
  • 西ブロックの境目-福井・滋賀・奈良・和歌山

地図上に記載すると上記のようなイメージかと。

これだと個人的にはちょっと違う気がするかな...東に偏っている気がします。

天気予報・気象庁における東日本・西日本の境界線は?

天気予報&気象庁の東日本と西日本の定義

最後に天気予報という分野で気象庁での東西の境界線はどこかを調査してみました。

公式HPから抜粋すると下記のように定義されているようです。※北海道などは北日本、沖縄は沖縄奄美地方

  • 東日本:関東甲信、北陸、東海地方。
  • 西日本:近畿、中国、四国、九州北部地方、九州南部。

地図に記載すると上記のような感じ。東海地方が全て東日本に入ってしまいますね...

先ほどと同様これは個人的にはちょっと納得が行かないです...東に偏りすぎな気がします。

最後に

今回は東日本と西日本の境界線に関して、明確な定義がない中で様々な角度からどの部分が東西の境界線になるのかを調査してみました。

結果的には東日本・西日本と分けるのはいろんな定義が元となって複数正解はありそうです。

そんなにないとは思いますが、東日本と西日本で分けて表現しなければいけないという場合、今回ご紹介した内容を参考にしていただければ幸いです。