【 本記事のターゲット 】
- 車を持っている、もしくはカーシェアやレンタカーで良く運転する機会がある
- セルフガソリンスタンドを良く使う
- レギュラーとハイオクのガソリンを入れ間違えるとどうなるか気になる
今回は車のガソリンの関して、「軽油」・「レギュラー」・「ハイオク」のそれぞれの違いや、規定以外のガソリンを給油した場合に車はどうなってしまうのかという所をご紹介します。
mog自身もコンパクトカーのFitを保有していますが、セルフガソリンスタンドを使う機会も多く、その際にふと思う事が
- ガソリンって入れ間違えるとどうなるんだろう
- ハイオク入れたら燃費良くなるんだろうか
といった事を思う事があります。恐らく車を運転した事がある方、一度は上記のような疑問を抱いた事があるのでは?
という事で、それぞれの違いや仮に種類を間違って給油した場合車はどうなるのか?という部分も解説します。
目次
セルフ式ガソリンスタンドは1998年解禁、入れ間違えが発生するように
1998年に消防法改正=セルフガソリンスタンドが誕生
今や皆さんが当然のように利用しているセルフガソリンスタンド。街の中至る所で見かけるかと思いますが、そもそもセルフガソリンスタンドって利用出来るようになったのは最近の事って皆さんご存知でしょうか?
mog自身も当時まだ免許を取れる年齢ではなかったので、実は昔からセルフガソリンスタンドってあったと思っている人の一人です(苦笑)。
実はセルフガソリンスタンドが登場したのは1998年、まだ登場してから20年しか経過していないんですね。何故昔からなかったのか...主な原因は消防法。
この消防法が1998年に改正され、実質セルフガソリンスタンド(お客が自らガソリンを入れる行為)が解禁になりました。
それ以降セルフガソリンスタンドが増え続け、今では当たり前になり、日常的に利用する人のなかでセルフガソリンスタンドを利用する方の方が多くなっている現状です。
セルフ式でガソリンを入れ間違える人が少なからずいる
セフルガソリンを良く利用する人にとって「軽油」「レギュラーガソリン」「ハイオクガソリン」といった種類を自分が保有している車の仕様に合わせて使いわけることは常識かと思うのですが、少なからず入れ間違えるという方はいらっしゃいます。
そして、値段を見てふと思う事が、
- レギュラーガソリンや軽油の方が安いから車に入れたらどうなるんだろう
とか思ってしまうわけです。
ガソリンの種類を再確認
ではここでガソリンの種類を再確認しておきましょう。
ガソリンスタンドで車に給油出来る種類としては大きく分けて「軽油」「レギュラー」「ハイオク」の3種類になります。
軽油
まずセルフガソリン等でも一番安い価格で表示されている軽油、気になりますよね。
軽油ですが、原油の蒸留によって得られる沸点範囲が180 - 350 ℃ 程度の石油製品(炭化水素混合物)という位置付けになっています。
主成分は炭素数10 - 20程度のアルカンで、精製直後は無色ですが出荷前にエメラルドグリーンなどに着色される(精製会社により異なる)そうです。直接見た事がないので分からないですが...苦笑。
高出力で熱効率(燃費)が良い所が長所となっており、負荷の大きいバスやトラック等に利用されるケースが多いです。
mog自身もレンタカーでバンを借りた時に軽油だった事がなんどかあります。
またガソリンよりも税金(軽油引取税等)が安い利点=軽油自体が安くなっているという所にも繋がっているのだとか。
レギュラー
大抵皆さんはこのレギュラーガソリンを使って給油しているかと思います。mog保有のFit君ももちろんレギュラーガソリンです♪
レギュラーガソリンですが、石油製品の一種で、沸点が摂氏30度から220度の範囲にある石油製品(および中間製品)の総称となっています。
一般的にどの国でも軽油・灯油との区別・識別のために着色されているらしく、日本ではオレンジ色に着色するよう定められているらしいです。
これも同様に見た事ないので、本当に着色されているのかな...ガソリンスタンドとかだと無色のような気もしますが...
日本ではアンチノック性が大きい高オクタン価ガソリンを「ハイオク」と呼び、レギュラーガソリンは単に「ガソリン」または「レギュラー」という名称で呼ばれる事が多いですよね。
ハイオク
先ほどのレギュラーガソリンでも少し触れましたが、レギュラーガソリンより高いオクタン価を持つガソリンのことを「ハイオク」と言います。
細かい部分をいうと色々あるのですが...ここでは割愛します。国内でもスポーツカーを初め、ハイオク仕様の車も結構販売されていますよね。
ガソリンを入れ間違えるとどうなる?車は壊れる?様々なパターンを想定
じゃあこれらの種類の燃料、入れ間違えるとどうなるのかという部分を実際に確認していきましょう。
ハイオクとレギュラーの違いは燃えにくさ
まずは簡単にそれぞれのガソリンの違いを下記にまとめてみました。
- レギュラーガソリン・・・オクタン価89.0以上のガソリン
- ハイオクガソリン・・・オクタン価が96.0以上のガソリン
- 軽油・・・ディーゼルエンジン車に使われる
軽油は明らかに違うのですが、紛らわしいのは「レギュラー」と「ハイオク」です。この2つの最大の違いは「燃えにくさ」にあるようです。
ガソリン販売大手である昭和シェル石油のウェブサイトには
ハイオクガソリンはレギュラーガソリンに比べてオクタン価が高く、ノッキングというエンジン内部の異常燃焼を抑える効果の高いガソリンです。JIS規格では、ハイオクガソリンのオクタン価は96.0以上、レギュラーガソリンのオクタン価は89.0以上と規定されています。尚、ハイオクガソリンは各社、性能に様々な特徴があります
と記載があります。
ガソリンには「オクタン価」という基準があり、ハイオクはレギュラーに比べてその数値が高く設定されているということ。そしてオクタン価が高いとエンジン内部の異常燃焼を抑える効果が高まるとの事。
エンジンの爆発力を最大限に高めるには、エンジン内部で混合気(ガソリンが混ざった空気)を最大限に圧縮する必要があり、その際に燃えにくい=異常燃焼を抑えられるのがハイオクというわけです。
なのでハイオクの使用を前提に高出力化したのが、ハイオク仕様車(スポーツカーなどエンジンの爆発力を高める必要がある車)となります。
レギュラーガソリン仕様車にハイオクを入れた場合どうなる?
ではこれらを仮に入れ間違えたらどうなるか...まずは世の中で一番多いレギュラーガソリン仕様車にハイオクを入れた場合を調査してみました。
良く噂で聞くのが
- レギュラーガソリン仕様でもハイオクガソリンを入れれば性能が向上する
という説が存在しますが、その説は一概に正しいとは言えないようです。
ハイオクガソリンは燃料そのものの熱量がわずかながら高いだけであり、高出力や低燃費を得るために圧縮比を高く設定したエンジンにおいて、高温になり自然発火(ノッキング)することを防ぐために、オクタン価を高めた燃料となります。
2000年以降の多くのエンジンはノッキングの発生を感知し、それを最小限に抑えるように補正する装置が装備されているためハイオクガソリンを入れる意味はほとんどないとの事。
燃費が2〜5%程度向上する場合もあるようですが、ハイオクガソリンとの価格差を考慮すると無意味のケースが多いみたいです。
という事なので、まずレギュラーガソリン車にハイオクを入れても故障する事はなさそうですが、性能がアップするという事もなさそうなので、単にお金が高くついて意味がないという事になりますかね。
一応違う目線でも紹介されている記事もあり、ハイオクを入れる事でエンジン内部の汚れを減らすことが出来るらしく、それにより燃焼効率がよくなりますが、同様に大きな効果期待出来るわけではありません。
レギュラー車にハイオクガソリンを入れるとエンジンの洗浄効果などがあるようですので、エンジンの調子が悪いとき、レギュラーからハイオクにいったん切り替えて継続的に使ってみるのもひとつの手
なるほど...けど素人にとっては、エンジンの調子が悪いかどうか...という判断すら難しい所です。
ハイオク仕様車にレギュラーガソリンを入れた場合はどうなる?
では逆に、ハイオクガソリン仕様車にレギュラーガソリンを入れた場合はどうなるのか...
これは場合によっては出力と燃費が確実に悪化するなど、問題が発生するようです。
車種にもよるみたいですが、そもそも出力は実測で5〜30%ほどの低下が見られる上に、ノッキングが発生する可能性があるため、場合によっては深刻な故障の原因にもなり得ます。
ハイオク車には2種類あり、「レギュラーガソリンの使用をまったく考慮していないタイプ」と「ハイオク仕様だけどレギュラーガソリンにも対応しているタイプ」があります。
まずはハイオク専用車でレギュラーガソリンの使用をまったく考慮していないタイプですが、主に輸入車や国産でも超高性能車などが該当します。
これらはレギュラーガソリンの使用を想定していないので、直にトラブルが出るというわけではないかもしれませんが、高い確率でトラブルが起こると予想されます。
車にとってレギュラーガソリンが「そもそも考えられていない燃料」を使用している状態になります。
一方「ハイオク仕様だけどレギュラーガソリンにも対応しているタイプ」、これは国産車の多くのハイオク者がこれに該当します。
これらはレギュラーガソリンを入れると車両が自動的にそれに対応した制御となるので、車両が壊れることはまずあり得ません。
が、カタログや取扱説明書を見ると「レギュラーガソリンを使用した場合はエンジン出力低下等の事象が発生します」と書かれている事が多いですので、何かしらの性能低下は身をもって体験することになるかも...
レギュラー車やハイオク車に軽油(ディーゼル)を入れるとどうなる?
で、一番やっては行けない事がレギュラー車&ハイオク車に「軽油」を入れるという行為。これは一番危険です。
軽油はディーゼルエンジンに使う燃料であり、軽油対応車以外に軽油を入れると高い確率でエンジンが壊れて高額な修理代が必要となるケースが多いです。
レギュラー車やハイオク車に軽油を入れると、黒煙を吹き出す&次第に走りに影響が出てきて、最終的にエンジンが停止します。
早めに異変に気づきエンジンを止めればプラグ交換だけで済む場合もありますが、エンジンが停止するまで乗り続けてしまうと、エンジンの分解などが必要になることがあります。
なのでガソリン車に軽油を入れて間違えに気づいた場合には、まず近くの車屋さんに直に電話しましょう。
その後ガソリンタンクから軽油を抜き、タンク内を洗浄します。そうすればガソリンを補給するだけで済むことが多いです。
費用2万円〜3万円程度で対応してくれるようです。その後、エンジンがかかればほぼ問題なし。
しかし、洗浄後ガソリンを入れなおしてもエンジンがかからない場合には、再度燃料の抜き取り、ラインの洗浄・プラグ交換・シリンダーヘッドのオーバーホールなどが必要になり、車種によっても様々ですが、修理代は30万円を超える事もあるようです。
ガソリン車に軽油、こればっかりは絶対にやらないように注意しましょう。
最後に
今回は車の燃料に関して、軽油・レギュラー・ハイオクの違いとそれぞれ違う燃料を入れたらどうなるのかという所を解説しました。
セルフガソリンスタンドでは燃料の種類によってノズルの色が決まっており、
- レギュラー・・・赤色のノズル
- ハイオク・・・黄色のノズル
- 軽油・・・緑色のノズル
- 灯油・・・青色のノズル
となっていますので、ここは間違えないようにしっかり確認して給油するようにしましょう。
もし間違ったら走行せずに直に車屋さんに電話ですよ。