日本一標高が高い道路「乗鞍スライライン」体験ブログ。3000m級の山登りにチャレンジ

2017年4月10日

【 本記事のターゲット 】

  1. 日本一高い道路を見てみたい
  2. 国内最高峰級の山に手軽に登りたい

今回ご紹介する旅行先ですが、まだ大阪に住んでいた頃に同僚から

  • 初心者でも3000m級の山って登れるんだろうか?登ってみたい

という話を聞いて実現した旅行&登山のお話になります。

一応mog自身元ワンダーフォーゲル部でいろんな山を登った経験を元に行ってみたいという所から、今回の旅行&山登り先となる「乗鞍」に出かける事になりました。

乗鞍の場所としては岐阜県高山市に該当しますが、ほぼ岐阜と長野の間あたりに位置(飛驒山脈・北アルプス)します。

ちなみに一緒に行った同僚は山登り経験無しのまったくの初心者です。

家族連れで小さい子供がいる場合はちょっと厳しいかもしれませんが、行けない事はないかと...

山登りをしたい&3000m級の山を手軽に体験してみたいという方は本記事を是非参考にしてみて下さい。

日本一標高が高い道路「乗鞍スカイライン」体験レポート

出典:のりくら高原観光案内所

今回目指すべき最高到達地点は下記になります。

  • 乗鞍岳(標高:3,026m)日本の山 高さランキング第19位

コレだけ見ると...いやいや初心者&登山経験無しの人がチャレンジするには無理だろ〜ってなりますよね。しかしこのコースは初心者にはうってつけの内容となっています。それは何故か...

  • 国内道路最高地点までバスで行く事が出来る

という所にあります。上記写真ですが結構有名ですよね。周り一面が雪の壁...これが今回利用する日本最高地点の道路になります。

ワンターフォーゲル部時代、夏合宿などで縦走(一度山を登った後山脈の頂上を渡り歩く事。特に北&南の日本アルプスの事を指します)をいくつか経験しましたが、山登りで一番苦しいのは初日で大体1,000m以上のUPから入って行きます。

そして初日は食料(水)や燃料なども満タンの為、ザック(リュック)がものすごく重たい...ここでいつも大体1人か2人体調が悪くなってしまいます。mog自身も何度か体調不良に...

しかし、ここには「乗鞍スカイライン」という非常に便利な交通手段が備わっています。

何と標高2,702 m(終点:畳平)までバスで行けてしまうんです。なのであとは300mUPのみ...もし頂上まで行けなくても高山体験は間違いなく出来る内容になっています。

しかし...

上記地点が最高到達地点の2702mになるのですが、ここにくるには色々と制限があります。一番大きい制限が「マイカー規制」になります。

まず岐阜&名古屋方面から来る場合...

乗鞍スカイライン(主要地方道乗鞍公園線)と乗鞍エコーライン(長野県道乗鞍岳線)は、乗鞍岳の自然環境を保護するため、また、乗鞍岳を訪れた皆様が交通渋滞のない快適な時間が過ごしていただけますように、マイカーでの通行はできません。

山頂方面に行かれる方は、高山市丹生川町久手ほおのき平駐車場、または、松本市安曇鈴蘭地区から代替バス、または、タクシーにお乗り換えください。

引用:高山市観光サイト

次に長野&東京方面から来る場合...

乗鞍岳

マイカー規制長野県側から乗鞍岳へ通じる乗鞍エコーライン(県道84号線)の三本滝~乗鞍岳山頂(乗鞍スカイライン交点)間では、乗鞍岳の自然を保護するため、マイカー規制(バス、タクシー、自転車以外の一般車両の通行禁止)を実施しています。乗鞍岳の美しい自然景観や貴重な動植物の保護のため、ご協力をお願い致します。

引用:のりくら高原観光案内所

規制区間

  • 岐阜県ほおのき平~乗鞍岳山頂
  • 標高1800mに位置する三本滝ゲート~乗鞍岳山頂

出典:飛騨乗鞍観光案内

となっています。要するに、

  • 自家用車では乗鞍スカイライン最終地点「2702m(畳平)」までは行けない

ではどうやっていくか...バスに乗りかえる必要があるのです。

そこで岐阜側・長野側の両方からどうやって乗鞍スカイライン最終地点まで行くのかをわかり易く纏めてみました。

ほおのき平経由(岐阜・名古屋方面から)から乗鞍スカイラインへ乗る場合

まずは岐阜方面からになります。mog自身が使ったのはこちらのルートになります。

同僚の車で大阪から名古屋を経由して岐阜高山まで高速を登ります。

そして、さらに乗鞍方面に車を走らせて行くと「ほおのき平駐車場」に到着しますので、こちらにマイカーは一旦置いておいてバスに乗り換えます。

料金

こちらのほおのき平駐車場には無料で1500台停めれる駐車スペースがあります。

mog自身が行った時(9月)も、全然余裕でとめれましたので多分大丈夫かと...8月の状況とかはちょっと分からないのですが...

料金は片道:1,270円、往復:2,300円になります。片道だけ買う人は多分いないかと...帰って来れなくなります(苦笑)。長野方面に抜ける場合とかに利用するんですかね、多分...

運行期間

公式HPで確認した所、2017年度は 2017年5月15日(月)~10月31日(火)になっていて利用出来る時期がきまっています。

時刻表も掲載されているので、下記URLで一度内容を確認しておきましょう。

平湯温泉からも乗れる様です。ほおのき平駐車場からは約50分で2702mの終着地点畳平に到着する事が出来ます。

観光センター前経由(長野・東京方面から)から乗鞍スカイラインへ乗る場合

次に長野・東京方面になります。mog自身はこちらから向かった事はないのですが、こちらも同様に観光センターまで自家用車で向かう事が出来、マイカーは一旦置いておいてバスに乗り換えて日本最高道路地点まで向かいます。

料金

こちらの観光センターですが、無料で200台停めれる駐車スペースがあるようです。

実際にこちらは行った事がないので何とも言えないですが...色々調べていると第1駐車場と第2駐車場があり、第1駐車場は結構朝早い段階から満車になってしまうようです。

バスの料金は片道:1,750円、往復:2,800円になります。岐阜方面と比べて少し割高ですね。

運行期間

公式HPで確認した所、2017年度は2017年7月1日(土)~10月31日(火)になっています。時刻表も掲載されているので、下記URLで時間などを確認しておきましょう。

観光センター前以外からも乗れる様ですが、途中バス停からのる場合は満席で乗れない場合があると注意書きがあります。

なるべく始発バス停の観光センター前から乗車するようにとの事なので、もし確実に乗りたいという場合は一度窓口に確認しておきましょう。

観光センターからは約1時間で2702mの終着地点畳平に到着する事が出来ます。ちなみに7月1日より前に来たいという場合は下記プランもあるようです。

春先〜初夏は氷の壁を見ることが可能(長野・東京方面)

長野・東京方面から来る方で春山(氷の壁)を見にきたいという方も多いかと。その場合、春山バスというのが運行されています。

出典:のりくら高原観光案内所

夏場よりも本数は少ないですが、かの有名な氷・雪の壁を体験する事が出来ます。

これも一つの醍醐味ですよね。興味が有る方は一度調べてみてはいかがでしょうか。

国内道路最高到達地点「2702m」畳平到着♪

さて、ここではmogが実際に体験した「岐阜県ほおのき平~乗鞍岳山頂」までのコースを写真付きで紹介しておきたいと思います。

ちなみに最初に申しておきますが、乗鞍岳頂上までは行っていないです...mog自身、行く気満々だったのですが...理由は後ほど。

行った時期は9月下旬の3連休になります。

ほおのき平駐車場は標高1,234mとなっており、終着地点畳平は2,702m。その標高差はなんと約1,500mもあります。

これを一気にバスで上がって行くので高山病にかかる人も少なくないそうです。事前の体調管理もしっかり行うようにしましょう。

実際にmogがほおのき平駐車場に行った時は9月の3連休だったので、もしかしたら満車とかになっているんじゃないか?と思ったのですが...

3連休にも関わらず結構ガラガラで問題なく停める事が出来ました。が...なんと小雨が...そう、天気があまり良くなかったのです。

なので行くか諦めるか同僚二人で駐車場で少し立ち止まって検討していたのです...2本くらいバスを見送ったでしょうか...

その間に若干天候が回復して少し晴れ間が見えるくらいになったので、折角来たんだから登山は出来なくても道路最高到達地点には行こうという事で出発を決意。

ちなみに雷雨などの場合は絶対に行かないようにしましょう。山での雷は本当に危険です。諦める勇気も必要ですよ...

mogが持参したのは駐車場の自販機で購入したドリンクのみ、服装も普段の服で行きました。しかしコレでは明らかに準備不足です。

本当に乗鞍岳(剣ヶ峰3,026m)まで登るつもりであれば最低限下記は用意しておきましょう。

殆どバスで行けるとはいえ、300m登る必要がある&3時間の登山時間は必要になってきますので...

  • リュック
  • 運動に適した服装
  • 運動靴
  • タオル
  • 飲み物(水)
  • 軽食
  • 雨具

終着地点畳平まではバスに揺られてのらりくらり...マイカー規制されていますので、渋滞はまず無いですし、すれ違うのも大抵バスのみ...雄大な景色を見ながらくつろぐ事が出来ますよ。

天気が良ければの話ですが...汗

そして終着地点畳平に着く手前まで来ると、先ほどまで雨を降らせていた雲を突き抜け、下記のような雲海が出現!

雲海とはその名前のとおり雲が下に広がり、まるで海のように見える姿から山登り・ワンダーフォーゲル部関連では雲海と呼ばれています。

先ほどまで天気を悪くしていた雲をこの1500mUPの間に運良く突き抜けたようです。一気に周りの景色も良くなりました♪とはいっても油断は禁物です。

そして約50分、ついに国内道路最高到達地点2,702mの畳平に到着です♪

上からとった写真しか無かったんですが、下記のような赤い立派な建物が並んでいます。もちろん、駐車場はバスのみ...一応タクシーでも来れるようなのですが、見た所タクシーの姿は無かったような...

日帰りで乗鞍岳(中部山岳国立公園)へ登ることが可能

無事に到着した事なので、早速山登り開始です。

まずは準備体操をしっかりしておきましょう。そして、トイレなども済ませて万全な状態になったら登山スタートです♪※ちなみにトイレは有料で1回100円です。マナーとして利用したら100円入れるようにしましょう。

目指すべき頂上は4つ、一番遠い所で往復3時間かかる

まずは乗鞍岳の山々をおさらいしておきましょう。

登山禁止の山もあるので主に登るのは下記4つかと思います。それぞれバス停からの所要時間(往復)も記載しておきます。

  • 剣ヶ峰 3,026m  所要時間:3時間
  • 富士見岳 2,817m 所要時間:1時間
  • 大黒岳 2,772m 所要時間:40分
  • 魔王岳 2,760m 所要時間:30分

飛騨乗鞍観光協会のHPにも下記図のようにわかり易く記載されているので、登山時間の参考にして頂ければと思います。

出典:飛騨乗鞍観光協会

乗鞍のお花畑も綺麗♪雪渓を見ることも可能

ちなみにちょっと山登りからはずれますが、乗鞍の「お花畑」も結構有名です。

いろんな高山植物を下記写真のように木道を歩きながら観察して楽しむ事が出来ますよ。

あと写真には映っていないのですが、8月でも雪渓を見る事が出来るみたいです。

こちらの木道の左右に夏場でも雪が残っているそうですので、興味が有る方は是日足を運んでみて下さい。

富士見岳(2,818m)へ登山開始、夏場は軽装でもいける♪

さて、mogと同僚は剣ヶ峰を目指すべくまずは通過点となる「富士見岳」を目指します。

が、しばらく歩いていると同僚の様子がちょっとおかしい...普段めちゃくちゃ元気でフットサルとかもガンガンやっているスポーツマンなのですが...

途中まではかなり奇麗に整備された道路をどんどん進んで行きます。

普段登山されている方から見たらあり得ない光景ですよね?これで標高2,700m超えですよ?こんな整備されている登山道見た事ないです(笑)

とはいえ、もちろん途中からは本格的な山登りに入って行きます。

砂利&石ころがゴロゴロ転がっている所をどんどん進んで行きます。ちょっと天気が心配です...またガスってきました。

ん?同僚の姿がかなり後方に...

そうなんです。山登りって普段スポーツやっているから大丈夫といった考えは非常に危険なのです。特にここは標高3000m級です。地上と比べると下記状態となっています。

  • 気温:平地より約15℃低い
  • 酸素濃度:平地と比べて約7割

mog自身は大学生の頃ワンダーフォーゲル部で嫌という程山を登りました。それも30kgのザックを背負って、2000m級の山々を...

知らず知らずのうちに耐性が出来ていたんでしょうか。あんまり意識した事はなかったのですが...

完全に息切れしている同僚。まだ100mほどしかUPしていないのですが...同僚のペースに合わせてゆっくり登って行きます。

ちなみに同僚に写真をお願いして取ってもらいましたが、大体こんな感じの登山道でした。所々階段もあって比較的登り易いかと...

完全に私服(運動服ではないですね...汗)ですみません...皆さんはちゃんとした装備で行きましょう。

けど写真の通り、結構周りの人も私服多かったです(苦笑)

そして、まずは第一関門である「富士見岳」に到着。標高はなんと脅威の2,818mになります。

なかなか2800mの山って登れないのですよね?それもこんなところに私服で来れる所なんて...国内では恐らく乗鞍くらいしかないような気がしますが...

問題発生&下山開始

少し頂上で休憩をしていたのですが、ここでちょっと天候が怪しくなってきました...そしてそれ以上の問題も発生...

完全に同僚ダウン...見るからに無理そうな感じ。これは高山病になりかけているんじゃないかと...

やはり普段のスポーツと山登りは完全に別物。当然山登りをする為にワンダーフォーゲル部時代も様々なトレーニングを実施しました。体力作りはもちろん、歩荷トレといった重たい荷物を背負って階段を歩いたりとか...

特に乗鞍はバスで来れてしまうので忘れがちですが標高3,000m級です。それも一気に下界から2,702mの地点まで来れてしまうので、段々空気が薄くなるという訳ではなく一気に空気が薄くなり、そこで激しい山登りを開始してしまうと...

なのでなるべく登り始めはゆっくり行くようにしましょう。mog自身はそこまでペースを上げたつもりは無かったのですが...ちょっと早かった様で反省しました。

頂上で休んで検討しましたが、天候もそんなに良くない&ここから剣ヶ峰まで往復で2時間半以上あるという事、そしてなにより装備が軟弱という所を考えて、残念ですが今回は剣ヶ峰を諦める事にしました。

その後無事に畳平まで戻ってきて、バスでほおのき駐車場まで帰ってきました。下界に降りた同僚はいつも通りのうるさい奴になってましたよ。やはり高山病だったのかな?下山したのは正解でした。

平湯温泉(ひらゆの森)で疲れを取ろう

同僚が元気になったという事と、せっかくここまで来たんだから有名な温泉に入りたい...

ということで、ほおのき平駐車場から程よく近くにある「平湯温泉」に行ってみることに。車で15分もあれば到着する距離です。

出典:ひらゆの森

このあたりは「平湯温泉」という事でいろんな温泉宿がたくさんあります。今回は日帰り温泉という事だったので「ひらゆの森」に行ってみました。

出典:ひらゆの森

出典:ひらゆの森

温泉自体も結構よく、露天風呂が7つも付いていました。もちろん、mogが大好きなサウナも完備♪

ここは空気が本当に綺麗。露天風呂に浸かりながら澄んだ空気を深呼吸して癒されます。また標高が高いせいか9月なのに少々ひんやり。サウナに入った後は外がとても気持ちよかったです。

値段も安く、大人500円&子供400円(3才〜小学生)になっています。東京のスーパー銭湯などと比べてもものすごく安いですよね。営業時間は午前10時〜午後9時までみたいです。特に問題はないかと。

ボディーソープ等は付いているのですが、タオルは持参する必要がありますので持っていきましょう。もちろん有料で購入する事もできます(200円)。

乗鞍の後にぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。もしくはこちらの宿で一泊というのもいいかと。天気が良ければ最高だと思いますよ。

ということで、今回は日本一標高が高い道路乗鞍スライラインで行ける乗鞍岳などをご紹介しました。

最高峰である剣ヶ峰まで行けませんでしたが、それでもバスを使っての2,702mの日本最高峰道路地点への到達&富士見岳の2,818mまで私服状態で辿り着く事が出来るのは、この乗鞍スカイラインあってからこそかと思います。

もちろん私自身もワンダーフォーゲル部としての思いもあり、下から登らないと意味ないだろうとか2700m地点に道路なんか作らなくても...景色が...と思ってしまう部分も少々あるかも知れません。

しかし、東京 or 大阪からでも十分行ける距離で誰でも3000m級の山登りを体験出来るという意味では非常に魅力的な場所です。近くの平湯温泉も最高です♪

高山病や天候が若干不安ですが、初心者の方にも3000m級の山を体験出来るコースになっていますので、もし興味があれば一度旅行計画にこちらのコースを組み込んでみてはいかがでしょうか。