将棋の戦法「ダイレクト向かい飛車」のやり方。序盤コマ組み・仕掛け方を解説

2017年11月16日

【 本記事のターゲット 】

  1. ダイレクト向かい飛車を相手に仕掛けてみたい
  2. ダイレクト向かい飛車をされた時の対応を学んでおきたい

今回は後手番でのダイレクト向かい飛車が可能なタイミング&序盤のコマ組み、そして逆にダイレクト向かい飛車をされた側の対応手順を詳しくご紹介します。

ダイレクト向かい飛車は初心者の方はかなり難しい手順になります。

上級者でも最初のコマ組みの仕掛けタイミングや対応方法を誤ると、一気に劣勢になってしまうような戦法です。

無理にダイレクト向かい飛車をするのではなく、可能なタイミングで仕掛けるようにしましょう。

序盤で無理そうなコマ組みであれば、角筋をとめて四間飛車にしたり、横歩取り等の戦法に変更するようにしましょう。

 将棋「ダイレクト向かい飛車」を仕掛けるタイミング

仕掛けは角で飛車先を受けて、相手が角筋を開いてきた時

では早速ダイレクト向かい飛車の仕掛けタイミング、対応方法をご紹介します。

色々なパターンがあり、全ては説明出来ないので今回は後手番でオーソドックスな飛車先&角筋が開いた時に仕掛ける事が出来る戦法になります。

まずは相手が飛車先の歩を伸ばしてくる事が条件です。下記盤面は分かりやすいように上が先手、下が後手となっています。※棋譜の数字(指し手)も逆になっているのでご注意下さい。

▲2六歩、△3四歩、▲2五歩と飛車先の歩を伸ばしてきた所で、△3三角と受けます。ここまでは良く有る光景かと。

で、この後相手側が▲7六歩と角筋を開けてきた時が仕掛けのタイミングとなります。

通常この状態だと四間飛車にする為に△4四歩と角筋をとめる方法や、△2二銀と上がって角を取られたら銀を上がるといった方法が多いかと思います。

相手の飛車先にぶつける

しかしここで思い切って△2二飛と回ります。

これがいわゆる「ダイレクト向かい飛車」になります。

他にも色々なダイレクト向かい飛車はありますが、今回はこのパターンでその後の手順などを比較検証してみたいと思います。

ダイレクト向かい飛車の「攻め」or「受け」それぞれの手順を解説

通常▲6五角打とされて、馬を作られてしまうが...(攻め手順)

ダイレクト向かい飛車として、△2二飛車と回るとどういった事が起きるのか...

まず単純に、▲3三角成とされて、△同桂と角交換を実施します。そうすると、パッと目につくのが▲6五の地点。

ここに角を打たれると4三と8三の地点両方に角が当たってるので、絶対に馬を作られてしまいます。

これだけみると、ダイレクト向かい飛車をした方が損をすると思うのですが...

△4五桂が絶妙手

ところが、この状態で△4五桂馬と跳ねる手が狙い筋。

もしそのまま相手が馬を作ってくれば、△5七桂成らずで桂と金を交換する事が出来ますよね。

じゃあ相手が受けに回ったらどうなるか...その場合は△5五角打とするのが好手♪

9九の香車と馬を狙った手になりますが、実はこの状態では香車を受ける手段が相手にはありません。

先ほど桂馬を受けた手が飛車の横効きを遮るような形になってしまい、どうやっても香車が受からないのです。

仕方がなく相手は馬を作りますが、こちらは馬+香車を取る事が出来るので作戦成功となりますよね。

ダイレクト向かい飛車、どうやって受けたら良いのか(受け手順)

という事で、このまま単純に角交換をすると、どうもダイレクト向かい飛車側に分がありそうです。

という事で、角交換をする前に何かしら手を打たないと行けないのですが...

有名な手としては▲9六歩と香車の先の歩を伸ばしておくという手筋があります。

一見何ともなさそうな手になりますが...このまま先ほどと同じ手順を進めて行くと...

香車を上げるのが絶妙手

桂馬を跳ねられて、同様に守った時、△5五角打と角を打たれますよね。

先ほどだと香車が助からない...という形でしたが、今回は香車の歩が伸びている事で、▲9七香と桂馬で紐をつける事が可能となります。

仮にそのまま△9九角成とされても、▲7八銀としておけば、桂馬も守れますし香車も取られる心配はありません。

馬は作られてしまいますが、こちらも歩をとりつつ馬を作り、相手は桂馬が跳ねている分狙われやすくなります。

形勢としては難しい所ですが、これなら悪くない感じで戦えそうですよね。

ということで、今回は将棋のダイレクト向かい飛車のやり方をご紹介しました。

序盤のコマ組みを間違えると、いきなり劣勢に持って行かれるダイレクト向かい飛車。仕掛ける側は相手がこの流れを知らなければ逆に一気に優勢に持って行く事も可能です。

重要なのは序盤、本当に最初の数手を間違えると後戻り出来なくなるので、この手順はしっかり頭の中に叩き込んでおきましょう。

ダイレクト向かい飛車を仕掛ける事が出来る流れになったら仕掛けるのも良し、相手から仕掛けて来たら指し手を間違わないよう注意するようにしましょう。