【 本記事のターゲット 】
- 藤井聡太の対局内容を知りたい
- 佐々木大地戦(叡王戦)での大逆転勝利の内容・棋譜を知りたい
今回は藤井聡太プロが終盤で大逆転勝利をした第3期叡王戦四段戦準決勝の内容をご紹介します。
目次
第3期叡王戦予選対局時の状況
対局名
2017年10月9日 第3期叡王戦段位別予選(四段)準決勝
対局者(段位は当時のもの)
先手:佐々木大地四段
後手:藤井聡太四段
将棋界では今年から7大タイトル→8大タイトルへと変更となり、その一つ増えたタイトルが叡王(えいおう)になります。
そのタイトル戦の予選が段位別で開催され、四段の予選に関しては、四段の中でたった1名のみ本戦に進むことができるようなルールになっています。
そのタイトル戦四段予選の準決勝、結構いろんなところで話題となっていますが、噂の中学生プロ棋士藤井聡太四段が劣勢状態になっているところから終盤まさかの大逆転にて決勝へ進み、そして四段戦で優勝→本戦へ進むこととなりました。
第3期叡王戦予選準決勝、対局内容を解説
という事で、その大逆転が起こった藤井聡太四段 vs 佐々木大地四段 第3期叡王戦予選準決勝を解説してみたいと思います。
mogレベル(二段)になりますので、多少内容に間違いがあってもご容赦ください。
戦型は居飛車
先手(画面下側)が佐々木四段、後手(画面上)が藤井四段になります。
序盤ですが、居飛車&横歩取りの展開になるかな...という感じでスタートしました。が、横歩取りにはならず、そのまま飛車先の歩を交換した状況が下記となります。
この辺りは特に何事もなく進んでいるかのように見えましたが、中盤一気に佐々木四段優勢&藤井聡太四段劣勢といった状況になります。
中盤佐々木四段が仕掛けた中央突破が破壊力抜群
その中盤の状況ですが、1筋にてお互い突破をかけた仕掛けが繰り広げられて、先手も後手も飛車&馬で相手玉に攻めていくような局面になりました。
そんな中、途中の指し回して佐々木四段がうまいこと中央に攻撃を集中させることに成功します。下記画面を見ていただきたいのですが、角・桂馬・香車が5三の地点を狙い撃ち♪
藤井四段の玉は右側は金銀が壁になっている&飛車成も見えているのでかなり苦しい状況です。この時点でコンピューターソフトの評価値は一気に佐々木四段側優先へと...
この後、△4三金右と藤井四段が守りますが、▲5三香成、△同金、▲同角成、△同金、▲同桂馬成、△同玉と全て相殺した後、▲5六香打、△6二玉、▲6四飛と進みます。
藤井四段の守りの金は全て剥がされ、1筋にいた飛車まで回ってきて上記のような状態に...一方佐々木四段側は金銀3枚に囲われていて安全な状態です。
この時点でコンピュータソフトの評価値は佐々木大地四段+3000、藤井聡太四段-3000とかなりかけ離れている状況、すでに投了してもおかしくない状況です。
終盤まさかの大逆転劇&藤井マジック炸裂
この後、△7二玉、▲7四飛と進み、藤井四段の玉は絶体絶命の状況に...
しかし、ここで藤井四段が指した手が「△3六馬」!
この手が佐々木四段の思考を狂わせます。
一見なんともないような手なんですが、5八の金を狙いつつ、6三の地点を守っている攻め&守りの馬として指した手なんですよね。
6三の地点を守っていないと△6三銀打から詰んでしまうので馬で守ったという形です。それを見た佐々木四段が指した手が...「▲6四銀打」
一見次に▲7三銀成からの詰みになるので当然の一着と思われた手なのですが...これが大悪手。藤井四段が少し考えて指した手は「△5八馬成」!
実はこの時点で解説側も同じ指摘をしていました。この時点で評価値は+-0のイーブン表示へ...明らかにソフトの挙動がおかしい...これは詰んでいますよと解説で説明が...
この後佐々木四段が天を仰ぎ...一呼吸置いて▲同玉と取りました。その後△3六角打、▲3七金打、△同角成、▲同玉、△3五桂打を進み...
この手を見て佐々木四段投了となりました。詰みまで少し長いので下記にて解説させて頂きます。
投了図以下解説
まず△3五桂打に対して▲5八と玉が下がる場合は比較的わかりやすいと思いますが、△4七銀打、▲6八玉、△5八金打とすれば、次に上にいっても下に行って金打ちで詰みですよね。
じゃあ△3五桂に対して上に上がったらどうなるか...
▲3六玉、△2五銀打、▲4五玉(▲3五玉は△3四金打ちで詰み)、△3四銀、▲5五玉、△6五金打、▲5四玉、△4三金打までの詰みとなります。
ここで解説でも紹介されていましたが、佐々木四段が指した手「▲6四銀」が「▲6四金」であれば、先手玉は詰んでいなかったと...先ほどの手順でもし6四金だった場合、△6五金打の時に金をとることが出来ますよね...
全体を通して優勢に進めていた佐々木四段としては悔いの残る試合となってしまいました...
解説も心境を読み取るように、読みきれなくてもあの場面で銀ではなく金を打っていれば...となんども説明していました。
実は先手玉は詰んでいた
「読みきれなくてもあの場面で銀ではなく金を打っていれば...」と記載しましたが、そう、実は後手玉は詰みがあったんですよね...時間がなく読みきれず▲6四銀と打ってしまったが為に負けてしまったんです。
では▲6四銀ではなく、どうやったら詰んでいたのか...単純に▲7三飛成と桂馬ととっていれば詰んでいたんです。
以下手順ですが、▲同玉に△6五桂と打ちます。
その後△7二玉の場合は▲7三銀打、玉が下がれば飛車をとって金2枚で詰みなので上がるしかないのですが、△8三玉、▲8四金打、△9二玉、▲9三金打となって詰んでいますよね。
じゃあ▲6五桂打の時に玉が上がった場合どうなるか。
△6四玉、▲7三銀打、△6五玉、▲6四金打、△7六玉、▲7七銀、△8五玉、▲8四金打で飛車で取ったら▲8六歩(打ち歩詰めではないのでOK)で詰みとなります。
じゃあ▲6五桂打の時に玉が7四の地点に上がったらどうなるか...
△7四玉、▲7三金打、△8四玉、▲7四金打、△9三玉、▲8四銀打(同飛なら同金、同玉、8四飛打ちで詰み)、△9二玉、▲8三銀成と進み...
△同飛車、▲同金、△8一玉(同玉は▲7三金打で詰み)、▲8二飛打、△7一玉、▲6二金打までの詰み。
手数がかかるので、時間内で読みきれない状況にはなっていて▲6四銀と打ってしまったと思うのですが、後手は上記のように詰んでいたんですよね。
逆に藤井四段がちゃんと詰みを逃さず、最後まで諦めずに指し続けた結果、この勝利に繋がったんだと思います。△3六馬と指した手が攻守ともに優れた手筋でしたね。
ということで、今回は藤井聡太プロの終盤大逆転勝利を解説させて頂きました。
勝負は何事も最後まで諦めない事が重要ですね。
最近は若手の活躍が目立ってきているので、ここで藤井プロのタイトル取得なるかどうかも注目して見て行きたいと思います。
※2024年追記:ついにタイトル全取得「八冠」を達成しましたね。本当におめでとうございます!素晴らしい!